読み込み中

片山法律事務所

お知らせNews

AIで作ったその遺産分割協議書、ホントに大丈夫?  

お知らせ

最近では、AIが法的な書類を作ってくれるようになり、

たしかに、形式的にもきっちりした書類が出来上がるようになりました。

 

ネット上には、そんな書類のひな型が探せば多く

見つかるようになっていますね。

 

今回お話しするのは、「相続に関して他の相続人から遺産分割協議書が送られてきたのですが、これに署名していいですか?」という相談です。

当事務所にご来訪のお客様にもみられる相談類型ですし、市民相談などでもよくみかける種類の相談です。

 

ところが、今回の特徴は、その書類をAIが作成していたのです。

 

(守秘義務の関係がありますので、以下の事案は実際の相談に色々と手を加えています。)

 

相談者様は、年末年始にコロナ禍で会えなかった家族が久々に集まるので、今回、遺産分割協議書を作成してみた、というもの。

 

一見すると遺産分割協議書の形式も整っており、立派なものです。

たしかに、ここまでの書類をAIが作れるようになっているのは、弁護士としても、驚きもあります。

人間が作成すると落としがちなレアケースに対応するような条項も入っていたりして感心するところもあります。

 

ただし、

 

あくまで、AIが作れるのは

作成者であるあなたが指示して打ち込んだものの範囲内です。

 

あなたがどこまでリスクを見通すことができるか。

どこまで例外事情を予見することができるか。逆に言えば、例外中の例外的な事項をどこまで取り込むか。

 

あなたが見通すことができないところまでは

AIも想定して作成することは出来ません。

 

要は、どんなに立派な体裁の文章をつくれても、

まだまだAIには、完璧な内容の文章までつくれることは出来ません。

 

たとえば、先ほどの遺産分割協議書。

 

遺産分割協の段階では見つかっていなかった相続財産が、将来見つかった時に備えて、

その財産を包括的に、家族の中のたとえば長男が相続するという条項(清算条項)を付け加えておくケースもあります。

 

ただ、専門家である私からすれば、

「そんなところまで清算条項に含めてもいいの?」

「本件では紛争化していないこの問題を、ここまでイレギュラーな事態を想定して条項が必要かな?」と思うケースもあります。

 

その他にも、余分な条項があることで、新しい紛争が生じる可能性もあります。

 

AIが作る資料はあくまでも一般的なものを想定しています。

逆に、極端にイレギュラーな事態を想定した文言が入り込んでいることもあります。

 

今回の、あなたのケースを想定してくれてはいません。

本当に条項・文言に必要な部分が足りているか、逆に余計な部分が入り込んでいないか、結局は人の目で取捨選択しなければなりません。

 

 

少なくとも、現段階では、AIに100%任せることはできないのではないでしょうか。

 

こんな書面にサインをしても、本当に大丈夫?

 

AIに限らず、相手からこんな書面を送られてきたというご相談をいただくこともあります。

 

たとえば、離婚協議書です。

 

その養育費の金額設定は、あなたにとって到底無理な設定にはなっていませんか?

 

養育費は、いったんサインしてしまうと、後から変更するのはとても大変なことです。

 

後に変更するには、調停~審判(通常半年~1年程度はみてほしいとお客様にはお伝えしています。)の期間がかかります。

 

なにより、多額の養育費を払えないと、あなたの給料債権が差し押さえられてしまいます。

 

離婚協議書をサインするにあたっては、

「とにかく離婚したい」「もう会うのも嫌だ」と、

冷静な判断を失いがちですが、冷静な判断をせずにサインしてしまうと、

このように、多くの時間と費用を失うことになってしまいます。

 

その他にも、アパートの保証人。

たとえば、子どもがこの春から一人暮らしを始めるので

アパートを見つけてきたけど、

保証人としてサインをしてしまっていいのでしょうか?

 

そんなご相談もいただくこともあります。

 

その不安解消に・予見のサポートに

 

そこで、ご利用いただきたいのが、

当事務所の法律相談です(60分5000円)。

 

ご相談者からいただいた書面をチェックしつつ、

それまでの経緯をヒアリングして、

問題点を把握していきます。

 

必要であれば、書面に加えるべき文言や条項をお伝えすることができます。

 

さらに、相手方と交渉が必要になれば、あなたの代理人として相手方と交渉も進めていきます(別途料金)。

 

面倒くさがって判断を先延ばしにしたり、書面をよく読まずにサインしたりしないように。

「後悔先に立たず」です。

署名押印する前であれば条件交渉ができるかもしれません。

 

まずは、当事務所の法律相談をご利用くださいませ。