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片山法律事務所

お知らせNews

G社による訴訟予告の郵便物が届いたら

借金の解決

数十年前の借金取り立てには要注意

 

先日、弁護士としては看過しがたい相談に出くわしましたので注意喚起を兼ねてお話しします。

最近、G(一応伏せておきます)という債権回収会社が

約20年も昔の借金の返済を求めてきていて、どうしたらいいかというご相談でした。

 

差押通知のチラシとともに、訴訟予告の案内を、何度も、何度も郵送してくるという事案です。

 ご相談者は、恐ろしくなって当事務所にこられました。

 

この手の債権会社は、つぶれた消費者金融から債権を消滅時効が完成しているものも完成していないものも、返済見込みがあるものもないものも、すべて一緒くたにして安値で買い取った上で、債務者に返済を求めます。

 

債権の買値を買いたたければ、1000本の債権を買い取って1本でも回収できれば儲けが出るのでしょう。

推測するに、消滅時効の援用をされてしまえば法的に返還請求できない債権をダメ元で請求しているのでしょう。

 

 

とくに電話には要注意

 

 

このような会社からの催促に対しては、決して返済の約束をしてはなりません。

 

「こちらにご連絡ください」と記載してある電話番号に電話したら、その電話は、十中八九録音されているでしょう。

 

たしかに、訴訟をするという“脅し”には動揺してしまい(良い人ほど、「借りたものは返さないと、」という弱みに付けまれてしまいます)、

言われるままに返済の約束をしてしまいそうになるのは理解できます。

 

ですが、返済の約束をするということは、「債務の承認」ということで、

消滅時効を援用できなくなってしまうのです。

 

では、具体的には何が返済の約束つまり、「債務の承認」に該当するかどうかですよね。

 

借金の一部返済

 

まず、全額出なくても一部の返済をしただけでも、債務の承認にあたってしまいます。

 

こちらとしては、全額の返済は難しいとしても、「申し訳ないから」と一部だけでもと思って返済をしてしまうこともあると思います。

 1000円でも返済してしまえば一部弁済です。

業者は債務者のそのような気持ちをうまく利用して、一部だけでもいいので返済をするように求めてきます。

 

そこで実際に払ってしまったら、

債務を承認したことになるので、もはや時効を援用することができなくなってしまいます。

 

「お金がないから、今は無理」(支払い猶予の約束)

 

また実際に払っていなくても、

そのような返済請求に対して、一部でも、

「支払いを待ってください、いつまでにお支払いしますから」、と

返済猶予を約束してしまう場合も、時効を援用できなくなってしまいます。

 

「お金がないから、今は無理」。

この発言も、前後の会話内容次第では、時効の援用ができなくなってしまいます。

 

直接的ではないこれらの発言はついつい言ってしまいがちですよね。

 

そこで、このような発言を引き出すべく、相手は話題を誘導するかもしれません。

 

そして、このような業者は電話内容を録音しているでしょうから、

その発言が証拠になってしまうのです。

 

悪質な場合、債務者が他の誰かに相談しないようにさせるために、

これらを一度の電話で終わらせてしまう、

つまり一度で返済猶予の申し込みをさせてしまう(電話内容を録音)という戦略かもしれません。

 

時効は「自動的」には成立しない。だからこそ・・・

 

消滅時効は、借り入れから5年経つことによって自動的に成立するものではありません。法的には「援用」が必要です。

 

だから、これを利用して、

消滅時効債権を、他の会社から安価に譲り受けてその回収を図ろうとする会社が存在しうるのです。

 

そのような債権回収会社があれこれ手を尽くして仕掛けてくる前に。

消費者金融会社から、過去に借り入れをしたことがある方は、

一度お早めにご相談ください。

 

時効の援用をできるように、当事務所が代理人としてそのサポートをしてまいります。