初回相談から破産手続終了までの流れ(個人破産)
今回は,典型的な事例(同時廃止事件)を想定して初回相談に事務所に来られてから破産手続が終了するまでの流れをお話しします。
*日付はサンプルです。
初回相談 令和3年4月5日
初回は,必ず弁護士が対応します。
借金がどこにいくらあるか,返済状況,財産状況,家計の状況など諸々のことをお聞きし,債務整理でいけるか,民事再生をする意味があるか,自己破産しかないか,といった方向性を決定します。
どこにいくら借入金があるかの一覧表を作って持参いただけると相談がはかどります。
併せて,弁護士費用の説明,裁判所への予納金の見込みなどをお伝えします。
当事務所では,とくにご要望がない限り初回相談で受任することはせず,いったん持ち帰って依頼するかどうかを検討してもらいます。
2回目相談 令和3年4月11日
だいたい初回相談から1週間から2週間くらいで2回目の相談があります。
ここで依頼の意思を確認して,ご依頼していいただけるのであれば,委任状,委任契約書に署名押印をもらい,請求書をお渡しします。
併せて,裁判所に提出する破産申立に必要な書類(陳述書,財産目録及びその付属書類など)の説明をして,次回相談時にもってきてもらいます。
令和3年4月12日 受任通知の送付
委任を受けた数日以内には,各債権者宛に弁護指名で受任通知を送付します。
受任通知がなされると,債権者からの取立ては止まり,当事務所宛てに債権者からの連絡が入るようになります。
3回目相談 令和3年5月20日
必要書類をお渡ししてから1か月くらいのところで,それまでに準備が出来ている範囲で書類を持ってきてもらいます。
必要書類は複雑で手間がかかるので,1回で揃えられる方は,ほぼいません。
書類を受け取って,当事務所で書類をチェックします。
4回目相談 令和3年6月10日
およそ1か月ほどで,前回もらった書類の過不足,修正したものをもってきてもらいます。
書類を受け取って,当事務所で書類をチェックします。
5回目相談 令和3年7月3日
4回目相談で過不足ある書類のチェックをします。
早い方はこのころ書類がそろってきます。
6回目相談 令和3年7月10日
このころになるとほぼ書類がそろってきているので,1週間ほどで残る書類を持ってきてもらいます。
これでほぼ破産申立の準備が整います。
ただし,なかなか書類を持ってきていただけない場合には,7回目相談,8回目相談,9回目相談・・・とエンドレスに続きます。
なお,当事務所では,受任通知から6か月を経過しても書類がそろわない場合には,原則としていったん辞任する扱いとしています。
いったん辞任した後で,書類が全部そろった段階で改めて再度受任して破産手続をすることはあります。
令和3年7月20日 破産手続開始決定申立て
裁判所に対し,揃えた書類を整えて破産手続開始決定の申立てを行います。
令和3年7月21日 予納金の納付指示
裁判所から,予納金(官報広告費用)の納付書が出されます。これを納めないと,先に進めません。
令和3年7月27日 補正命令
およそ一週間程度で,裁判所から書類の訂正,不明事項の問い合わせ,不足分の提出要請などがあります。
これは2週間以内に回答しなければなりません。
令和3年8月10日
2週間以内に補正命令に応じて裁判所に対して報告書(上申書)を提出します。
提出した書類に不備があれば,再度の問い合わせもあります。
令和3年8月17日 破産手続開始決定
提出した書類に不備がなければ,1~2週間程度で破産手続開始決定がなされます。
令和3年10月30日 免責決定
破産手続開始決定後,2か月の期間経過で免責決定がなされます。
これで破産手続は終了です。晴れて債務の支払義務から免れます。
以上により,初回相談から最短で6か月,なかなか書類をもってきてくれない方だと1年以上かかる場合もあります。
一番時間がかかるのは,お客様自身に書類を揃えてもらうところです。早く揃えれば揃えるほど早く進みます。といっても,モデルケースのとおり最短で6か月程度はかかります。
破産を依頼しようと思う場合には,できるかぎり書類を揃えることにご協力をお願いいたします。