男性経営者の離婚・その特殊事情は?
今回は、男性側の離婚でも、特に会社経営者である場合の男性が離婚するときに起こりやすい問題について考えてみます。
たとえば、サラリーマンの場合と比べると思いのほか大変です。
なかなか、有利に進めることができないもの…
今日は、そんな会社経営者の男性に向けての注意点をお伝えできれば、と思います。
男性側が離婚を決意するとき
離婚理由としては、性格の不一致、価値観の相違や異性関係が離婚理由として多いことは昔から変わりません。
法的に言えば、民法770条1項5号「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」という要件に該当するか、になります。
従前から「暴力」は「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」の典型例とされてきました。
酒を飲んで暴れて暴力を振るう、などというのは古典的ですよね。
ちょっと見方を変えて、近時の統計資料によれば、女性側からの「暴力」も増えてきているらしいです。
内閣府の男女共同参画局が3年ごとに調査している『男女間における暴力に関する調査報告書』によると、男性の5人に1人は配偶者からの『暴力』の被害を受けているようです(令和2年度調査より)。
この暴力には、身体的暴行、心理的攻撃、経済的圧迫、性的強要があげられています。
身体的暴行(例えば、なぐったり、けったり、物を投げつけたり、突き飛ばしたりするなどの身体に対する暴行)
心理的攻撃(例えば、人格を否定するような暴言、交友関係や行き先、電話・メールなどを細かく監視したり、長期間無視するなどの精神的な嫌がらせ、あるいは、自分もしくは自分の家族に危害が加えられるのではないかと恐怖を感じるような脅迫)
経済的圧迫(例えば、生活費を渡さない、給料や貯金を勝手に使われる、外で働くことを妨害されるなど)
性的強要(例えば、嫌がっているのに性的な行為を強要される、見たくないポルノ映像等を見せられる、避妊に協力しないなど)
最近になって急に女性側が暴力的になったというよりは、以前ならば「それくらい我慢しろ。」で終わっていたのかもしれません。
暴力とまでは言えなくても、例えば、「もう少し稼いで来なさいよ、仕事もできないくせに…」ということを年がら年中言われ続ける、といのは、いわゆるモラハラとしてとりあげられる場合があります。
モラハラは定義が難しいですが、ハラスメントを「言われたくないことをことを言われて嫌な思いをする」と概括的にとらえるならば、離婚のご相談の際には多かれ少なかれみなさんに共通しているようです。
昨今の経済情勢の悪化から推測すると、今後ますます増えていくかもしれません。
日常のストレスが積み重なって、こういった言動が繰り返されていく…。
こうなってくると、単なる口げんかがモラハラ、さらに進んで「心理的攻撃」つまりは、「暴力」と認定されてしまいます。
そのうえで、問題なのが、そういった「暴力」が、子どもにも向かいかねないということです。
令和2年度の調査では、約3割が子どもへの「被害」も生んでいることが明らかになっています。
夫婦はもともと赤の他人ですから喧嘩することは当然ですが、その被害を子どもに及ぼすことだけは避けなければなりません。そこだけは、夫婦げんかのルールといったらおかしいですが、親として心してもらわなければなりません。
男性側が有利に離婚を進めるためには?
証拠を残しておくことが重要です。
男性自身に対しての「暴力」、たとえば先ほどの暴言を録音しておくことは、たまにみかけることがあります。スマートフォンがあれば録音できる時代です。
ただ、いつも録音できる状態とは限りません。
その場合は、どう証拠を残せばいいのでしょう?
まずは、身体的暴行の場合は、医療機関を受診し、診断書を発行してもらうことです。
傷や青あざの写真をとっておくことも重要です。DVとして法的手続を考える場合には、警察への被害届も必要です。
身体的暴行以外(暴言)の場合、録音、録画ができればいいですが、実は、日記やSNSに書き残しているだけでも相応に証拠力のある証拠になるのです。
日記や手帳、カレンダー、XやLINEにいつどんなことを言われたのか、これを毎日書き足していくのです。
あとからまとめてではなく、毎日書き足していくことがポイントです。
これができると、男性側に「有利」に離婚を進めていくことができるようになります。
サラリーマンとの違い。
ここまでは近時の傾向であって、ここからが経営者特有の問題です。
男性経営者の場合、その配偶者である奥様が、会社役員として社内にいることが、多いですよね。
特に、地方の場合、多くの中小企業は家族経営です。
勤務実態がないのに取締役に名を連ねて、役員報酬を支払っていることすらあるでしょう。
そうなると、単に家族法(民法)の問題にはとどまらず、会社法の問題がでてきます。
さらに、離婚によって女性側が経済的に苛酷な状況になるようであれば、なかなか離婚に応じてもらえないでしょう。
明確な離婚原因があれば訴訟によって離婚を強制できることもありますが、そうでない場合、調停なり和解の席上で離婚に応じてもらわなければなりません。
たとえば、精神的暴力、モラハラといった離婚原因では、よほどのことがないとなかなか訴訟で離婚を強制といったところまでは難しいでしょう。
そうすると、離婚を実現するためには、配偶者が「それだけもらえるのであれば離婚しても良い」と考えられるだけの離婚給付を積み上げる必要があります。
相応の経済的環境を整備する意味で上積みが求められるかもしれません。
そのうえ、賃貸住宅に住んでいればいいですが、自宅を所有していて住宅ローンを負担している場合も少なくありません。住宅ローンの銀行としては、債務者が離婚しようがしまいが「知ったことか」という態度で、住宅ローンの分割はできず、男性側ローンの支払義務が残り続けることになります。
その住宅を財産分与で渡す場合には、住んでもいないのに支払いを続けることになってしまいますよね。その心理的、金銭的負担は、相当なものです。
さらには、一番ネックなのが、○○です(あえて伏せ字にしています。)。
これゆえに、財産分与がとてつもなく高額になり、
男性側はかなりのキャッシュを個人として用意しないといけなくなります。
そこまでを見越して、男性経営者は離婚を考えないとなりません。
ところが多くの男性経営者はそこまで考えていらっしゃらないのが事実。
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