「連帯保証人でも自己破産はできますか?」
今回は、連帯保証人でも自己破産はできますか?というご相談です。
実際に、ご家族の借金等の債務について、ご家族のどなたかが連帯保証人となっているケースはよくあります。
奨学金の借入があり、奨学金だけなら払えるものの、他にも借入がたくさんあって払えないため自己破産する というようなケースはたびたび目にします。
そんな場合でも、連帯保証人になっているご両親はどうしたらいいでしょうか?
自己破産?
はたして、ご自宅は差し押さえられてしまい、住むことができなくなるのでしょうか?
連帯保証人に返済請求が来たら?
主債務者であるご家族が借金を返済できない場合は、連帯保証人に借金の返済請求がなされます。
分割払の請求ではなく、一括請求がなされます。
当然のことですが、自己資金が十分にあれば一括して弁済すれば連帯保証人の責任を履行したことになります。
一括払いであれば、将来的に支払う予定の利息をカットすることができます。
ただ、一括して支払えるほど自己資金が潤沢なことは多くありません。
一括して支払えない場合に連帯保証人としてはどうすればいいでしょうか?
分割払いの交渉
まず、債権者と分割払いができないかを交渉してみましょう。
債権者との交渉次第にはなりますが、元々の主債務者の返済条件程度で分割払いが可能になることもあります。
元々の返済条件よりは毎月の返済額を増やすことによって債権者が応じてくれるかもしれません。
残債務の累計金額、分割払いの金額、連帯保証人の職業や財産等、支払期間、支払い見込みその他の事情次第ですが、債権者が交渉に応じてくれることもあります。
まとまった一時金を払う、というのもよいでしょう。
ご本人の交渉が難しい場合、弁護士が代理人として債務整理という形で分割払の交渉をすることも少なくありません。
なお、主債務者の代理人弁護士が連帯債務者の代理人を兼務して良いかどうかは利益相反との関係で議論があるようです。
契約の有効性を争う
ごくまれなケースですが、そもそも契約をした記憶がないというのであれば、契約の効力自体を争うこともできます。
主債務者が勝手に署名を偽造して連帯保証人にされてしまったというようなケースです。
これは、裁判で争って勝てるほどの証拠があるかどうかという視点が必要です。
連帯保証人の自己破産
分割払も難しい場合、連帯保証人の自己破産を検討します。
連帯保証債務だけであればまだしも、他にも借入が多数ある場合には破産を選択せざるを得ません。
連帯保証人であっても、自己破産をすることで破産時の財産だけが破産財団となり、それ以降の財産は破産財団に属する財産とはなりません。
連帯保証人であっても、次の人生のリスタートをはかることができます。
これは、家族が主債務者である場合だけではありません。
たとえば法人の代表者や家族が、法人の主債務を連帯保証している場合。
この場合でも、法人が破産をしたとしても、代表者も破産し終わった後(破産手続きの終了後。だいたい2か月~1年くらい。)は、たとえば個人事業主として、あるいは会社を新たに設立して次の新規事業をスタートさせることができるのです。
とは言え現実は・・・
ただ、一度ブラックリストにのってしまうと、銀行はなかなか融資をしてくれません。
しかし、現金取引で可能な範囲でこじんまりと事業を再スタートすることになることでしょう。
実際の再スタートは厳しいものです。
2020年、民法改正により・・・
民法では、個人が事業用融資の保証人になる場合、公正証書により保証債務を引き受ける意思を明確に示す必要があります(第465条の6)。
これは、保証人が連帯保証債務の具体的な内容を正確に理解せずに安易に引き受けることを防ぐためです。
公証人という第三者が関与し、債権者や債務者からの説明だけでは見落とされる可能性のある重要な情報を確認します。
この仕組みにより、保証人となる人が十分な理解のもとで判断できるようにすることが期待されています。
次の人生のスタートのためにも早めのご相談を
破産を申し立てることが遅くなれば、お金が尽きてしまい破産自体ができなくなってしまう場合があります。
それはつまり、法的手続きの中で、連帯保証人を守れなくなるということです。
法的手続きの中で守ることができなくなるとはどういうことでしょうか。
仮に、連帯保証人が破産を申し立てることができなくなるとなれば、
場合によっては、夜逃げをせざるを得なくなります。
そうなると、住民票も新たに作れずに、住まいも確保できず、子どもたちも学校に行けず・・・。
いつまでも次のスタートをきれないようになってしまいます。
破産は、けっして恥ずべきものではなく、あなたを守るための法的な仕組みなのです。
まずは、お早めにご相談をいただけたらと思います。