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片山法律事務所

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もう自己破産?それでもなんとか、この場所でお店を続けたい!

破産・廃業・借金

自営業者の方が、自己破産をした場合、もうその場所でお店を続けられなくなるのか、と言ったら、必ずしもそうではなく、場合によってはお店を継続できる場合もあります。

 

それには、破産、再生などいろいろな方法があるのです。

 

だから、まずはいろいろな方法・選択肢を取れる段階で、その可能性・これからの戦略を検討していただきたい。今日は、そんなお話です。

 

原則としては…

まず、自己破産をした場合、つまり、破産手続開始決定がなされた後は、

破産者が有していた一切の財産が破産財団に組み入れられ(破産法34条1項),その破産財団の管理処分権は破産管財人に専属することになります(破産法78条1項)。

 

つまり、破産者であるあなたが所有していたお店の設備や仕入れた在庫も、もはやあなた自身が自由に売ったり、それを使って施術をしたりすることが出来なくなってしまいます。

 

たとえ、お店に予約が入っていたとしても、原則、そのお客様に従前どおりのサービスを提供することが出来なくなってしまいます。

 

例外的に

ただし、例外的に、自営業者の方が、自己破産をした場合でも、その場所でそのまま事業を継続できる場合もあるのです。

 

たとえば、・・・

 

パターン1 差押禁止動産(破産法34条3項2号、民事執行法131条6号)を利用して自由財産で営業を続けられる場合

 技術者や職人の業務に書くことができない器具その他の物は、破産しても破産管財人に管理権が移ることはありません。

 こうした器具を利用して、自由財産となったお金(99万円以下の現金)で商売を続けることはできます。

 

パターン2 破産管財人が価値なしとして破産財団から放棄した場合

そのお店や什器・設備などを、破産管財人が「価値ナシ」として、放棄する場合があります。

たとえば、飲食店の破産の場合に、使い古した食器など買取してももらえないような物です。

その場合は、その動産の管理処分権が破産者に戻ってきますので、従前どおり、その場所で事業を継続できることになります。

 

逆に言うと、将来、これは、価値ナシとして破産管財人が処分するであろうことを見越して、破産手続開始決定の申立てをする前から、価値がないものだけで商売が回るのかどうか、よく戦略を立てて、従前の取引を継続したりしておかないといけない、ということです。

 

一度失った取引関係は、そう簡単には取り戻すことができませんからね。

 

破産管財人から買い取る場合

また、破産者が自由財産を基に、破産管財人から買い取ることもできます。基本は一括で支払わなくてはなりません。

例えば、飲食店の破産でいえば、店舗内のすべての什器備品、食材など全部を包括的に購入するのです。

破産手続においては、破産管財人は中古の動産として売却することになりますので、売却価格は他に売却するよりは低額になることがほとんどです。

 

この場合は、破産管財人と交渉になってくるので、破産管財人の思考回路・判断基準を予測しながら、破産申立の前から、自由財産として何が残るのか、いくら資金が残せるのかなど、計画的に準備しておく必要があります。

 

 

そうなのです!

 

自己破産後にその場所で従前どおりの事業が継続できるかどうかは、

破産手続開始決定の申立て前、

つまり、破産を考え始める段階で、

どのような戦略を誰と立てるかにかかってくるのです。

 

破産管財人やその背後にいる裁判所の判断を見越しながら、

今後の戦略立案ができるかどうか。

 

そのような観点で、各弁護士事務所の無料相談に臨んでいただければと思います。

 

 

本業が黒字見込みかどうか

 

その他にも、本業に黒字見込みがあるかどうかも、重要な判断要素になってきます。

例えば、固定費や仕入れをどれほど今後は削減して、在庫管理も徹底して、事業として利益を出せるのかどうか。

この点は、今後の戦略立案の上で、重要な要素となってきます。

 

できれば、直近3か年分の決算書や事業計画書を持参して、法律相談を受けていただきたいものです。

黒字が見込めないのであれば、残念ながら破産して借金がなくなったとしても、事業は継続できません。

 

取引先との関係

 

また、今後は、現金取引が基本になってきます。今までのように、買掛での取引が出来なくなってしまいます。

現金取引取引先が認めてくれるか、その現金がお店にあるのか、ということです。

今まで以上に取引先の目は厳しくなってきます。

これらも取引継続を判断するうえで、重要な要素になってきます。

ちなみに、現金取引ということなので、クレジットカードやETCカードも利用できなくなります。

この点、飲食店などは、仕入れ先を変更するなどして比較的柔軟に現金取引ができる場合が多いようです。

 

従業員との関係

 

さらには、従業員に対しても、これまで通りの雇用契約を維持することは基本的には厳しいとお考え下さい。これまで通りの給与や待遇を保証することは厳しいでしょう。

解雇しても経営できるかどうか。それでリスタートできるほどに、ダウンサイズできているかどうかを、無料相談の段階ではチェックさせていただきます。

例えば、飲食店で言えば、従業員を全員解雇して、経営者一人で対応できる席数に減らすなど、いったん事業を縮小することも検討しなければなりません。

 

 

まずは、一度ご相談を

 

このように、破産手続開始決定の申立て前の段階で、どのような戦略立案ができるかどうか。

 

場合によっては、自己破産ではなく個人再生(小規模個人再生)に方針転換する必要もあります。

 

こうした方針決定が、その場で今後も事業を継続できるかどうかに大きく影響してきます。

 

その際重要なのは、破産管財人の判断基準を予測した戦略立案ができているかどうか。

 

破産管財人が何を要望してくるかがわかったうえでの戦略なのか。

たとえば、破産管財人に対しては、いくらの金額での買取を提案したらいいのか。

 

これらの判断要素を総合的に加味してみて、破産手続開始決定後は、

破産管財人(市内の弁護士であることが多いです)と交渉していくことになります。

破産管財人の思考回路、考え方を理解して交渉をしていくことが必要です。

だからこそ、破産手続開始決定の申立て前の段階で、その交渉を見据えた戦略を立案していくことが大事になってくるのです。

 

とはいえ、その相談相手の弁護士に、破産管財人の経験があるかどうかは、一般の人は、知るすべはほとんどありません。

 

ぜひ、無料相談行ったときに、今後の方針をどれだけ多角的に示してくれるかどうか、1つのモノサシと思ってみてください。

そのうえで、2,3件の法律事務所を回ってみてはいかがでしょうか。

 

あなたにも納得できる方針を提示しれくれるかどうか、です。

 

当事務所では、ご相談に来ていただいて、相談の場ですぐに判断できない場合には、1週間以内を目安に戦略立案・方針決定をします。

 

この方針提案は、個人の場合も、法人の場合も無料で行っています。

 

まずは、こちらまで。