誰が相続人?「疎遠な親戚がいて連絡先さえわからないのですけど…」
2024年の4月1日から始まった相続登記の義務化。
その法改正の流れのためか、当事務所でも2024年度の振り返りとして、複雑な相続事件が増えてきています。
複雑な相続事件とは?
まず、法定相続人が多い場合です。
例えば、相続人の中には、お互いに知らない人もいる・会ったこともない相続人がいる、ということが出てきます。
なかには、被相続人(亡くなった方)とさえ、ここ数年お会いしていない場合どころか、知らないという場合も珍しくありません。
挙げ句の果てには、行方知れずという場合もありえます。
次に、相続財産が複雑・遺産の種類がたくさんあるという場合です。
さまざまな地域に、様々な不動産が点在している場合などは、これに該当します。
「誰が相続人?」
このうち、法定相続人が多い場合は、そもそも相続の手続き自体や調停が始まるまでが大変です。
なにより、どこに相続人がいらっしゃるのか、連絡先もわからないという場合が多いのです。そもそも、誰が相続人にあたるのかをどなたも正確に把握できていないからです。
したがって、まずは、相続人が誰なのかを調査するところからはじめていくのですが、これを個人で行おうとすると相当厄介なのです。
相続人を調査・確定するために全国各地の市区町村の役所で被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍を集めるのですが、親、子、祖父母、曾祖父母といった家系図で言うと縦のライン(直系の親族)の戸籍をとることはご自身でも難しくはないかもしれません。
しかし、家系図で言うと横のライン(傍系)、例えば、両親の兄弟姉妹、さらにその子といった傍系親族の戸籍をとることは、本人の委任状がない限り、役所が出してくれません。
例えば、おじさんやおばさんの戸籍謄本を取ろうと思っても、そもそも会ったことがないおじさんやおばさんから委任状をいただけることは想定できません。
そうなると、例外的に市区町村が許可すれば認められることもありうるのですが、それには正当な理由が必要で手間がかかります。
ここで、多くの方が断念されます。
そして、戸籍謄本をとることができたとしても、ここからさらに各人の意向を確認して、遺産分割協議や調停へと手続きを踏んでいくことになります。
逆にいえば、遺産分割協議等に移行する前に、相続人を確定させることだけでも相当な時間と手間がかかってきます。まだ遺産分割協議の入り口の段階なのに、です。
それに対して、弁護士であれば職権での調査ができます。
こうした複雑な相続事件が当事務所では増えてきています。
相続人が海外にいる場合
さらに大変なのが、相続人の中の誰かが海外にいらっしゃる場合です。
仮に、戸籍謄本で本人情報を突き止めることができたとしても、戸籍(附票)でわかることは例えばその相続人が、カリフォルニア州に転出したいうことまで。それ以上の情報はわからないのです。
したがって裁判所に対して、不在者財産管理人の選任を申し立てる必要が出てきます。
複雑な相続事件は、経験のある弁護士事務所へ
複雑な相続事件では、相続人の確定と並行をしながら、遺産を構成する財産もまた確定していくことになります。
税務上の処理とも絡んでくることもあるので、税理士さんとも連携をしながら業務をすすめていくことになります。
そんな中で、相続人がそもそも確定できないのでは、一切相続手続きが進まないことになります。
相続人が多数いる、誰が相続人なのかそもそもわからない、会ったこともない相続人とどう話を進めたらいいのか分からない・・・
このような複雑な相続事件でお悩みの方は、これらの経験がある法律事務所へご相談ください。
当事務所でも、複雑な相続事件の扱い増えてきています。
ぜひ、ご相談に一度いらっしゃっていただければと思います。