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片山法律事務所

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飲食店の店じまいを考える前にすべきこと

破産・廃業・借金

開業資金を少しずつ返済していたけど、返せなくなってきた。

日々現金の売上が入ってくるからなんとか運転資金はまわっているけれども,蓄えがどんどん減ってきてこの先資金が底をつくのは目に見えている。

 

新型コロナウイルス禍が予想外に長引き人流が途絶えた結果,そんな飲食店経営者も多いのではないでしょうか。

 

本当はなんとかお店を続けていきたかった。

この味を守り続けたかった。

でも家族にこれ以上迷惑もかけられないという忸怩たる想いも・・・

 

ここでは、お店をもう閉じようと決断された飲食店経営者の皆さまに、「債務整理」に関する情報の整理と、未来に向けて何をすべきかをお届けしていきます。

 

 

<目次>

債務整理とは?

どんな影響があるの?

家族に対して

従業員に対して

まずはなにから?

弁護士に相談を。

弁護士を選ぶ基準は?

ご相談はこちらまで

 

 

債務整理とは?

債務整理とは、正確には裁判所の手続を利用しない「任意整理」のことをいいますが,便宜上,法的手続である「個人再生」「破産」といった手続きもひっくるめて「債務整理」と略称することもあります。

 

たとえば、「自己破産」と聞くと暗いイメージしかない方も多いと思いますが、再スタートをサポートする社会の仕組み。

仮に失敗しても何度でも再チャレンジができる社会をということで、

「勝ち組、負け組」に固定させない社会を作ることも目的とする制度です。

チャレンジした人を支える側面のある制度なのです。

 

お店を閉じよう、閉店しようと思われた経営者の皆さまは、

この「任意整理」「個人再生」「破産」といった手続きの中から、

経営状態をみてベストな手続きを進めていくことになります。

 

 

どんな影響があるの?

とはいえ、今後にどのような影響がでるのかは気になりますよね。

なるべくなら、どんな影響が出るのかを知っておきたいものです。

3つの手続きによってその影響の内容は変わってきますが、

ここでは「破産」手続きを進めた場合の今後の影響を見ていきます。

 

 

 

家族に対して

まず、ご家族が連帯保証人になっていることがあるかと思います。

この場合、連帯保証人となっているご家族も同額の債務を負うことになりますので、

ご家族に請求されます。

またご自宅については、抵当権が設定されている場合には、

ご自宅が競売にかけられ、原則として立ち退きを求められることになるでしょう。

 競売を避けるため親族にお金をだしてもらえるかなど工夫の余地がある場合もあります。

 

子どもたちの将来

あなたが仮に自己破産したからと言って、子どもたちまで当然にいわゆるブラックリストに載るわけではありません。

ただ、住居を離れることで、それまで通っていた学校の転校を余儀なくされることもあります。

子どもたちにとっては、つらい現実になりますが、教科書にはない、生き方を伝えていくいい機会でもあります。

子どもたちのためにも、ここで決して気持ちを腐らせるわけにはいきません。

 

 

従業員に対して

まず、アルバイトなどの従業員を雇っており、毎月給料を支払っていると思いますが、支払が滞った給料も当然債務となります。

働いてくれているアルバイトの皆さんに対してはなんとしても優先的に給料を支払いたいところです。

しかし,破産手続に入ると破産債権の優先権が決まっています。順序を間違えて支払ってしまうと,偏頗弁済とみなされ破産手続きの中で否認権を行使されてお金を返せと言われてしまいます。

そうなると、かえって迷惑をかけてしまいます。

 

アルバイトさん、パートさん、従業員さんの生活の保証に関しては、未払賃金立替払制度という公的な制度があります。

 

「未払賃金立替払制度」は、企業倒産により賃金が支払われないまま退職した労働者に対して、未払賃金の一部を立替払する制度です。

いちどは従業員を雇用したけじめとして,この公的制度を利用して従業員さんの生活保証をしていきたいところです。

夜逃げする場合には未払賃金立替払制度も使えません。それでは使用者として無責任と言われても反論できないでしょう。

 

「未払賃金立替払制度」はこちら

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shinsai_rousaihoshouseido/tatekae/index.html

 

 

そして、解雇する場合には,30日以上前に予告するか,30日分の給料に相当する解雇予告手当を出せば30日未満でも解雇することができます。

なお,日本では解雇は原則としてできないと言われていますが,雇用者側が破産するほど経済状況が悪化している場合には整理解雇の要件を充たし解雇が無効になることはまずないでしょう。

 

 

 

 

では、まずはなにから?

従業員さんの給料の他にも、飲食店経営には借入金以外にも日々発生する多くの債務が実はあります。

アルコールや食材の仕入れ(買掛)、冷蔵庫や、調理器具などの什器のリース債務。

この他にも、正確に残債務がどれほどあるのか、何があるのかを把握しておかないと、

破産するときに債権者から欠落させてしまって債務が免責されないことになったり、何も知らなくて支払いを受けた債権者(元従業員)にも迷惑をかけるようになることもあります。

 

迷惑をかけないように、というその想いがかえって迷惑をかけてしまうということにもなりかねません。


だからまずは、全部の債務をいち早く確認することからするべきということになります。
 
その一方で,換価できるものに何があるかを把握しなければなりません。

お店を閉じようと決心された経営者の皆さまは、一度専門家である弁護士に相談していただきたいと思います。

弁護士に相談を。

 

ところが、このお店を閉じるのにもお金が必要なわけでして。

 

少しでもキャッシュを生み出して、管財人の費用(将来の別の管財人)と弁護士費用(手続きまでの弁護士費用。)を創り出す必要があるのです。
それに裁判所に払う費用(20-40万円くらい。個人の場合)も。

ここで、合計60-100万円くらい必要となってきます。

 

これが準備できないと、開き直って放置するか,夜逃げせざるを得なくなるような事態になってしまいます。

 

そうなると、再スタートもできない。

子どもの未来まで奪ってしまいます。

 

個人の場合、50万円くらいは集めたいもの。

 

 

そこで、この費用をねん出しようとして、

個人で勝手に什器・備品を売ってしまう場合も多いのです。

ところが勝手に売ったら(これ自体は適正な値段なら問題ありませんが,適正な価格で売却したことを証拠化しなければなりません。)、隠し財産ではないかと疑われて、

破産になった後に破産管財人から否認されかねません。

そうなると、また時間がかかってしまい、 再スタートが遅れてしまいます。

 

こうならないためにも、いまあるお金をどういう順番で払うか、お金が底をつく前に相談してほしいのです。

早めに弁護士に伝えてほしいのです。

あさって手形が落ちない、となると、相談された弁護士としてもどうしようもないという自体もありえます。弁護士の側でよほど手が空いているときであれば,事案によっては特急料金をいただいて超特急で破産申立することはありえますが,基本的にはお断りせざるを得ないでしょう。

 

個人の場合、この50万円(60万円~100万円)を創り出すために、

弁護士にいち早くご相談を頂きたいものです。

  

借り入れのめどがないのに手持ち資金が100万円を切ってきた、融資の申請したけど借り入れができなかった、2,3か月以内には支払いができなくなる・・・。

こんな飲食店経営者の方は、従業員の解雇含めて早めの相談をしていただきたいのです。

 

弁護士を選ぶ基準は? 

 

問題は、この時、弁護士を選ぶ基準です。

知ってた、HPでたまたま見つかった、ご紹介を受けた・・・。

この点に関しては、いくつか廻ってみることをおすすめします。

 

その際,1つの手掛かりとなるのが、その弁護士の過去の管財人の実績、経験です。

いかに素早く適切に財産の整理をして破産申立費用を捻出する一方,債務を洗い出しつつ取り急ぎ書類を取りまとめて裁判所に提出して破産手続開始決定の申立を行い,適切に財産を破産管財人に引き継げるか。

 

動産、不動産を処分する際にはルートが必要です。

スムーズに処分できるかどうかが、

破産事件の早期解決につながります。


反対に、この処分。

やりすぎてしまったら、債権者、管財人から損害賠償請求もありえます。

やらないと破産費用もできないのに,やりすぎると否認される。

ここの塩梅なんです。

スムーズにいけば、1回で終わる事件も破産管財人による詳細な調査が必要になってしまえば,1年かかってしまうこともありうるのです。


ですので、弁護士を選ぶ基準。

それは、その弁護士が過去に管財人としてどの程度の

経験、実績があるかどうか。

 

 

ぜひ、ここを聞かれてみてください。

 

 

ご相談はこちらまで。